2009/12/31

今年をふりかえる

 今年をふりかえると、前半はこもって原稿ばかり書いていた。名草戸畔(なぐさとべ)の原稿は、八月になってようやく伝承保持者の小薮繁喜氏と小野田寛郎氏にチェックしてもらえる段階まで完成した。3月末に和歌山へ最後の取材旅行に出かけたのだが、そこで見てきたことを原稿に書き加えたことも、完成が遅れた原因だった。しかし、入稿してしまったら修正できないので、結果的にはよかったと思っている。出版社への営業を開始したのは9月に入ってからだった。ここからは紆余曲折。その間も、何度も原稿をシェイプした。

 名草戸畔の営業をしている最中の10月半ば、突如としてイラストクリエイターHARIKENさんとユニットで展覧会をやろうという話になった。それで、同時進行でスプーのフィギュア制作や描き下ろしイラストの制作を開始。そして、あれよあれよという間に、イラストクリエイターズ・インク第一回目のエキシビジョン『精霊とモンスターの集い』が12月5日からスタートした。展覧会では本当にしあわせな一週間を過ごした。作品が伝わっていることを実感できた。そうしている間に、名草戸畔の方も動き出した。今年は、9〜10月ぐらいから、怒濤のように物事が動き出した感じだった。

 今年は、和歌山の友人たちや名草の写真を撮っているフォトグラファーの小野田麻里さん、HARKENさん、名草戸畔の出版についてアドバイスをしていただいた方々など、たくさんの人たちにお世話になった。本当にありがとうございました。また、展覧会を行ったことで、たくさんの人たちの出会いがあった。共感できるクリエイターの方たちとも出会うこともできた。新しい出会いに感謝の一年だった。
 それでは、みなさま、良いお年を。
 来年も、どうぞよろしくお願いします。

2009/12/26

絵本『ゆきのこうま』
















『ゆきのこうま』 さく/え 仁科幸子 フレーベル館

大好きな絵本作家、仁科幸子さんの新作絵本『ゆきのこうま』。青い雪の夜を描いた表紙がすてきな大判の絵本だ。ページを開くと、見返しに美しい雪の結晶が飛び込んでくる。














 雪がふりつもって森が真っ白になったある日のこと。森の仲間のかやねずみやこまどりさんたちは、「もりまつり」をするため、大きなクスノキに会いに行く。クスノキで何がおこるのかは、初めて読む人のために内緒にしておこう。「ゆきのこうま」は、白いねずみさんだけが存在を信じている動物、とだけ紹介しておく。

 「ゆきのこうま」は、心の中にある光だと思う。誰でも、絶望に取り憑かれると何も見えなくなって、「ゆきのこうま」の存在を信じられなくなってしまう。しかし、どんなにひどい絶望の中にいても「ゆきのこうま」はいる。「闇ばかりの世の中」ばかりを現実ととらえ、したり顔で「光などない」という人も多い。実はわたしも、かつてはそんなタイプだった。しかし、本当は、そういう心こそ偏った状態であり、冷静な状態ではない。人の心は、絶望と共に光も存在していて、どちらかに完全に支配されてしまうことはないはずだ。

 この絵本に描かれた「ゆきのこうま」を信じる絶対的にポジティブな心は、今の世の中にとって重要なメッセージを含んでいると思う。大人も子どももじっくり読んで欲しい、すてきな絵本だ。

2009/12/24

ブックサロン・オメガ探訪

クリスマスイブの今日、
ブックサロンOMEGAを初探訪。
















オメガは、サロン所蔵の本が自由に読めるカフェ。
本棚には、西欧オカルトエッセイで有名な澁澤龍彦、
『家畜人ヤプー』で知られる、沼昭三、
寺山修司など、ディープで面白い本でいっぱい。
本好きにはたまらないカフェだ。

ゴシック調の店内は、
写真で見ると敷居が高く見えるかもしれないが、
いざ、中に入ってソファーにすわると、
ものすごく居心地がよい。
長居して本を何冊も読破していく人が後を絶たないとか。
クリスマス・イブにぴったりな楽しい時間を過ごした。

蔵書以外に、読み終わった本を寄贈するコーナーもある。
なんと、このコーナーは、一人三冊まで持ち帰り自由。
『千夜一夜物語』『中国の神話』『ヘブライの神話』
をゲット。超嬉しい!

『スプーの日記』もオメガの蔵書に
仲間入りさせていただいた。

2009/12/12

“モンスターと精霊の集い”の写真です

イラストクリエイターズ・インク紹介コーナー


















HARIKENコーナー

描きおろしの新作。掛け軸とMANA BORD(まな板!!)


















なかひらまいコーナー
『スプーの日記』原画&描きおろしイラスト


















コラボ企画「インファラオ島の謎」コーナー


















残り3体になったスプーのフィギュア。
この後2体もいなくなりました。


















お土産コーナー
HARIKENのポップなモンスター・ステッカーと
スプーのポストカードなどが所狭しと貼り付けられた壁


















コレクターズの皆様から戴いたお花

2009/12/11

“精霊とモンスターの集い”大盛況で終了!

本日、一週間にわたって開催していたエキシビジョン。
たくさんの方にお越しいただき、大盛況で終了しました。
ありがとうございました。
素晴らしい一週間でした。

http://www.studiomog.ne.jp/ici/

とくに驚いたのは、外国の方がたくさん見えたこと。
言葉は通じなくても、
スプーの単行本や挿絵を手にとったり、展示した絵を見て
これが魔法使いのお話で、
スプーが体外離脱したりしていることを、
すぐに分かってくれた。
まさに、絵に国境はなかった。
また、こういう不思議な世界にも国境がないこともわかった。
こういう世界が好きな人は、世界中にいるのだ。
スプーの世界は絵を見てもらうだけで通じて、
内容もひじょうに受けた。
ポストカードやステッカーもたくさんお土産に買ってくれた。
中でも初日に「ビューティフル」といって
コラボ企画「インファラオ島の謎」の
精霊のポストカードを買ってくれた方は忘れられない。

コラボレーションさせていただいたHARIKENさんの
ポップで不思議なモンスターのイラストも、
やはり外国の方に超ウケ。
どよ〜んとしたスプーの世界とは対照的なモンスターの世界を
大はしゃぎしながら楽しんでいた。
HARIKENさんのキャラクターは、外国の方をはじめ、
通りすがりの女子高生の心もぐっと掴むほどパワー炸裂。
わたしもすごく楽しかった。

他にも、スプーの単行本を読んでいる方が真っ先に
フィギュアを買ってくれたこと、
畳のギャラリーで本を読んでくれた方がいたこと、
HARIKENさんのカードやステッカーと一緒に
スプーも買ってくれた方がたくさんいたことが、
とても嬉しく励みになった。
いろんな方がスプーや精霊の世界を楽しめることがわかって、
本当に嬉しかった。

会場にお越しいただいたすべての皆様に、感謝しています。
素敵な一週間を、ありがとうございました。

なかひらまい拝

2009/12/02

スプー工場?


(ついにスプーのフィギュア色塗り開始!)


(これは「手」)


(壮観!)


(ペイント済みのスプーはこうやって乾燥します)


(次々に色が塗られていく)


(そして乾かす)


(まるでスプー工場!)



完成品は展覧会で販売決定!
ハンドメードなのに1,800円。
限定14体です。

HARIKEN X なかひら まい EXHIBITION
モンスターと精霊の集い

日時:12月4日(金)〜12月10日(木)11:00〜20:00入場無料
※12月5日(土)17:00〜19:00にオープニング・パーティCookie&Monster(入場無料)を行います。お気軽に参加ください。(18:00〜LIVE PAINT決定!)

会場:原宿デザイン・フェスタ・ギャラリーEAST2F和室
JR原宿駅(竹下口)より徒歩9分
東京メトロ・銀座線/千代田線/半蔵門線・表参道駅(A2番口)より徒歩9分
東京メトロ・千代田線/副都心線・明治神宮前駅(5番口)より徒歩5分
地図:http://www.designfestagallery.com/submenu/contact/index.html

お問い合せ:03-3479-1442(デザイン・フェスタ・ギャラリー)

※イラストクリエイターズ・インクのウェブマガジン「SCRAP」始動! なかひら まい もポッドキャストに登場しています。CHECK IT OUT!

http://www.studiomog.ne.jp/scrap/hariken/index.html