『ゆきのこうま』 さく/え 仁科幸子 フレーベル館大好きな絵本作家、仁科幸子さんの新作絵本『ゆきのこうま』。青い雪の夜を描いた表紙がすてきな大判の絵本だ。ページを開くと、見返しに美しい雪の結晶が飛び込んでくる。
雪がふりつもって森が真っ白になったある日のこと。森の仲間のかやねずみやこまどりさんたちは、「もりまつり」をするため、大きなクスノキに会いに行く。クスノキで何がおこるのかは、初めて読む人のために内緒にしておこう。「ゆきのこうま」は、白いねずみさんだけが存在を信じている動物、とだけ紹介しておく。
「ゆきのこうま」は、心の中にある光だと思う。誰でも、絶望に取り憑かれると何も見えなくなって、「ゆきのこうま」の存在を信じられなくなってしまう。しかし、どんなにひどい絶望の中にいても「ゆきのこうま」はいる。「闇ばかりの世の中」ばかりを現実ととらえ、したり顔で「光などない」という人も多い。実はわたしも、かつてはそんなタイプだった。しかし、本当は、そういう心こそ偏った状態であり、冷静な状態ではない。人の心は、絶望と共に光も存在していて、どちらかに完全に支配されてしまうことはないはずだ。
この絵本に描かれた「ゆきのこうま」を信じる絶対的にポジティブな心は、今の世の中にとって重要なメッセージを含んでいると思う。大人も子どももじっくり読んで欲しい、すてきな絵本だ。
本当に素敵な物語ですね。
返信削除(読んだ事はありませんが…^^;)
どんな事でも光を見出す精神状態に
あれたらいいですね。
若いころは「無から有を」なんて思ってましたが
すでに求めるものはある事という事にに気づいて、
そして思い出す過程が大切なんだと最近思ってます。
仁科幸子さんは、
返信削除本当に才能のある絵本作家だと思います。
こういう方にどんどん活躍していただき、
若い人が後に続くようになっていけば、
と思います。