2010/01/06

『日本語の起源』大野晋/著



 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 わたしは本が好きで、常に何冊も平行して読んでいます。気が向いたときに、読んでいる本を簡単に紹介していこうと思います。

 古代史好きで、大野晋(おおのすすむ)の『日本語の起源』を知らない人はいないだろう、と思うほど有名な一冊。ブックサロンOMEGAで、昭和32年(1957)発行の岩波文庫版をみつけて思わずお持ち帰りしてしまった。当時の岩波文庫はなんと100円。
 大野晋は言語学者で、氏の日本語のタミール語起源説が批判されたことでも知られる。しかし、ちゃんと著作を読んでみると、とても面白い。この本は音韻など言語学の問題についてだけ書かれたものではない。言葉は暮らしと文化とともに使われるという考え方が基本になっているので、人類学、考古学、民族学について多くのページを割いている。大野氏は、日本列島は南方系の母系社会と朝鮮半島北部の文化が複雑に入り交じっていることを指摘。日本語は、縄文時代の南方系の言語に北方の言語(いわゆるアルタイ語)が上書きされたと推測する。タミール語起源説は間違っていたのかもしれないが、民族の流れは当たっているのではないか。とくに縄文から弥生の過渡期に対する考え方など共感できる部分も多かった。

2 件のコメント:

  1. あけましておめでとうございます!
    今年もよろしくお願いします♪

    色々本を読んでるんですね。

    タミール語とかアルタイ語はわからないけど
    色んな文化が混ざり合ってるんですね。

    沖縄の言葉とかアイヌの言葉とか
    混ざり合う前の名残かもしれませんね。

    スプーの日記ちょっとづつ読んでます♪
    なかなか面白いです。

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  2. 本は好きです。
    無駄な知識を増やすのが
    好きな部分もあったりして。
    南方熊楠のように、
    一度読んだものを丸暗記できる
    記憶力が欲しい…。
    スプーの日記、読んでいただいて嬉しいです。
    ありがとうございます。

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