先日、わたしたちに名草戸畔について調べるように行ってきた張本人Mさんと、久しぶりに会った。彼女の直感は、理由はよく分からないが、得体の知れない威力がある。何しろ、Mさんの言うとおりに和歌山に行った途端、伝承保持者の小薮繁喜さんに偶然出会うという事態が起こったのだ。そのMさんに黒アゲハの話をすると、彼女は震え上がってしまい、「それは名草戸畔だ!」といってきかない。彼女はいつも、こんな感じなのだ。しかし、いわれてみれば、黒アゲハをはじめてみたのは、約三年前、名草山の吉祥水のところで小薮さんに初めて出会ったときだった。どこからともなく大きな黒アゲハがやってきて、わたしたちのまわりを楽しそうに飛んでいた。わたしは、その光景を呆然と眺めていた。

【八雲の氷川神社】