2011/01/12

古老の伝承01

 わたしは昔から民俗や伝説の類が好きなので、何かの本でたまに、古老が語る口伝(くでん)の小さな断片を見つけると楽しくなって喜んでいた。
 たとえば、森浩一・網野善彦/著『馬・船・常民』(講談社学術文庫)には、こんな話が出ている。網野氏の知人が能登の調査に出かけたところ、地元のお年寄りが「昔、イルカがいっぱい来た」と語っていたという。その後、縄文時代の「真脇遺跡(まわきいせき:石川県鳳至郡能登町)で大量のイルカの骨が見つかったと聞いて、大変驚いたそうだ。
 お年寄りの言い伝えとイルカの骨は見事に相関している。すると、地元に古くから伝わる話が、縄文時代からかたちを変えずに連綿と伝わってきた可能性も高い。真偽を証明できないために研究論文に発表されないだけで、研究者の間では、実はこんな話がたくさんあるのかもしれない。

2 件のコメント:

  1. イルカって縄文時代からイルカという名前だったんでしょうか。
    だとしたらすごいですね!「昔」というのが言い伝えって可能性もあって
    きっとmaiさん達は古代史というお宝を掘ってゆく役割何だと思います。

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  2. 今まで読んだ(これから読むものも)資料の中から面白いことを書こうかなと思っています。

    >きっとmaiさん達は古代史というお宝を掘ってゆく役割何だと思います。

    そうでしょうか。「研究を継いで欲しい〜」というおじいさんが現れることはもうないと思いますが(笑)

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