2011/01/30

『初期天皇后妃の謎』大山元/著



 名草戸畔(なぐさとべ)の本を出した途端、古代史などの研究者や古代史マニアの方々から感想やご意見のメールをいただくようになった。大山元氏は、真っ先に読んで下さった方の一人だった。大山氏は、アイヌ語、縄文語の研究をされている。わたしも以前から大山元氏のウェブサイトをたびたびチェックしていたので、メールをいただいて驚いた。『初期天皇后妃の謎』は、「欠史八代」をテーマにしていたので、興味がわいて即、購入した。
 神武天皇と崇神天皇の間の八人の天皇については詳しい事績が書かれていないため、一般に「欠史八代」と呼ばれている。つまりこの時代は、古代史における空白の時代なのだ。いろいろ調べるにつれ、この時代はまだ縄文人と大陸の人たちが渾然と混ざり合って暮らしていたように思う。わたしは常々、記紀は何らかの事情で、この時代のことを詳しく書かなかったのではないか、妄想していた。だから「欠史八代」というといても立ってもいられなくなる。
『初期天皇后妃の謎』では、欠史八代の天皇后妃、つまり女性の名前の一部が子に引き継がれている(母系名称総称)ことを発見した。たとえば、神功皇后の諡「オキナガタラシ姫」にみられる、タラシが継承されている様子などだ。系図は男系で書かれていても、縄文時代の母系社会の痕跡が系図上の「后妃の名前」にあらわれているという、新しい視座である。
『日本書紀』や各地の風土記に出てくる天皇や后妃の名前には、アイヌ語や縄文語などの古代語が含まれていることだろう。この本では、憶測は避けて淡々と資料を上げながら、古代語が名前に含まれている可能性について書かれている。

2 件のコメント:

  1. 初期の頃の天皇って8代謎のままなんですね。
    私は全く知りませんでした。天皇自体あまり知らない
    と言っていいくらい。古代の日本にはUFOがあったという
    説もありますが本当の所どうなんでしょうね。

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  2. 日本にもUFO、あったらいいですね(笑)

    石川県の羽咋(はくい)には、UFOを見たという江戸時代の記録があるらしい。「コスモハアイル羽咋」という変な博物館があります。一度行ってみたい。

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